()実務経営サービス講演会講演内容

20071017日 1300~ 於:新錦江飯店 4階明珠庁

「上海における飲食業を取り巻く法環境の変化」

 

1996年に1000億ドルを突破した外貨準備高は、その後の政府の外貨獲得奨励や市場開放の

影響を受け、2001年には2000億ドルを突破しました。

もちろん貿易黒字(輸出の増加)、

人民元相場安定の為のドル買介入、

人民元高を見込んだ投機的は資本の流入、などが原因として考えられますが、

2004年には6000億ドル、2006年には1兆ドルを突破し(現在2007年の7月の時点で

13000億ドル)ております。

要するに表向きはイケイケの状態であり、上海に来られる方は、この発展振りや、様々な勢いを眼の辺りにして、中国は凄い!上海は凄い!と思われていることと思います。

中でも投機的な資本の流入が、不動産などの投資を過熱してしまい、それを抑制する法律、

これはスターツさんが一番詳しいと思いますので、ここでは割愛いたしますが、マンション購入?売買にも大きな影響が出ているようなそのような状況で、

2006年飲食業などの投資に関する若干の規制変更が行われました。

表向きは、投資奨励継続ですが、本当は引き締め、若しくはお金のない企業には投資を諦めてもらおうという意図のはっきりした規制もありました。

2005年までは、レストランは物件がなくても、先ず会社を設立して、その後物件を探すことが

出来たわけですが、2006年以降は、物件を探した後でなければ、会社を設立できない、かならず物件地を会社の登記住所とすることが義務つけられました。

これによって、会社を設立する前から、物件に対する敷金?礼金?家賃などの費用が掛かるようになってしまい、営業許可が3ヶ月以内にきちんと下りてくるという目途すら立たない中で、

準備金がどんどん支払われてしまう状況に陥る企業が増えました。

レストラン業における営業許可取得のポイントは、細かいものは種々ありますが、一番大きな

難関は、消防と衛生です。これら二つがとにかく取るのに苦労しますし、許可が下りなければ

正式にレストランをオープンすることすら出来ません。

消防は、軍の管轄ですので、時間も掛かりますし、色々と問題が起こります。

これは、レストランではなくて、ある工場の開業前のことですが、消防検査があり、消火器の設置を伝えられました。消火器の設置は平米あたり何個と法律で決まっており、法律に定められた通り個数をそろえるわけですが、その際に消火器を購入する業者の指定が消防署より有りました。

少しでも安いものを買おうと他業者から購入したりすると又大変なことになってしまうと

予想されます。

オープンが出来なければ、当然家賃負担は増え続けます。

小規模投資では資金力がない為に、敷金2-3ヶ月/支払い2-3ヶ月を前払いして、更に営業が運よく始められても開店する事に一生懸命になっていて、開店後の準備が出来ず、開店後すぐにお客さんがドンドン入ってくれればいいのでしょうが、更に3ヶ月くらい売上も上がらないまま過ぎてしまうと、資金繰りが大変になってしまい、全ての資本金を使い果たし、日本へ帰ってしまわれるお客様も多くいらっしゃいます。

最近一部上場の大手のレストランで、潤沢な資金を投資して、1年経ったが、家賃が高すぎて、このままでは、資金繰りが困難になると、突然営業を打ち切り、契約していた不動産を解約して、

従業員には1ヶ月の給与保障を行った会社もあります。

逆にある日本料理レストランでは、大家との交渉に成功して、営業許可が取得出来るまでは家賃を支払わない、営業許可が下りなければ逆に内装や取得手続きに掛かった費用を返金してもらうとともに、賠償金を支払うと言った内容の契約に成功して、敷金や家賃を支払うことなく、

内装に着手、計画を進めています。これは、大家さんが後々のメリットもしっかりと考慮し

投資者に協力する例です。本当に稀な例ですが、交渉の仕方?大家さんの思惑によっては、

上手くいく場合もあることをお伝えしておきます。

そして今年間もなくですが、12月に商務部から飲食業の経営規範の変更が行われます。

様々な規範が決められるわけですが、

座席は、一つにつき1.82平米のスペースがなければならない、

火を通さない前菜を作る際には、手にはビニールの手袋、口にはマスクをしなければならない、

ダクトの位置は、住居?病院?学校の位置から10メートル以上は、離れていなければならない、

総面積30平米以上の店舗では、厨房は営業面積の3分の1の広さが必要である、

等、衛生?安全を主体とした経営規範が施行されます。

これが施行されることで、当然今まで以上に、レストランの開店が、厳しくなること間違いなしです。

設計上や検査時において、誤魔化すと言った方法は、日本でも行われていることですが、

密告が日常茶飯事のように罷り通っている中国では、競合相手に迷惑を掛けるために、この辺りの法律を使っていじめを行うことが増えるかもしれません。

「火を通さない???」については、それでは、寿司をにぎるのにビニールの手袋が必要なのか

と言う疑問が生まれてきましたので、衛生局に問い合わせを行いましたが、窓口は寿司自体を知らず、それを説明するのに時間が掛かった上に、残念ながら確たる返事をもらえないままです。

ダクトの位置については、前から言われておりましたが、例えば下水道に繋げてしまえば良かったりと非常に曖昧でしたが、今回のこの法律が施行されると、たくさんのレストランが停業に追いやられる可能性も有ります。

特に住居のあるマンションでは、営業出来なくなる恐れがありますし、マンションの下でなくても隣接しているような物件は、問題が出てくることが予想されます。

日系の企業はどうしても良い意味でも悪い意味でも目立ちますので、

今後更に細かい対応が迫られることが予想されます。